彼女のセカンドライフ


それからさらに日は経ち、武尊は就活に力を入れず、バイトに励んでいた。

昼食時間で、会社員達で混雑していた時間が過ぎた、そんな昼下がり、数名の客が入って来た。

「いらっしゃいませ」と水を出した定員に、「英君⁉」と声を掛けてくる女性の声。
 
その客の顔を見ると、何と凪美子だった。

さらに周りを見ると、紫が座っていた。

「あ、こんにちは」

驚く武尊に、紫も挨拶をした。

「あなたここでもバイトしてるの? 気が付かなかった」

凪美子の言葉に、

「はい。普段は厨房なんですけど……」

今日はいつになく忙しく、普段は滅多にないのだが、今日に限ってホールスタッフの数が足りず、回らないほど忙しくて、作ったら出す、といった感じでホールに出ていたと言う武尊。