――あいつより男らしいし、すでに働いている! 蓮見さんの子供だって自分の子供のように愛せる!
文利はそう思いながら、優越感にも浸り、
「武尊は好きな人に子供がいるって分かった時、その子供を愛せないとか言ってました。考えられないですよね? 自分の好きな女の子供を愛せないなんて、愛せて当然なのに、やっぱり、家庭環境がそうさせているんですかね、そういう気持ちが可哀想というか」
文利は、男を見せた気分になって話を続けた。
「あの時の合コンでも、ご馳走食わしてやるって言ったら、簡単について来ましたしね。金がないからか、切り詰めてるんだな~って、俺には出来ないけど、あいつなりに頑張ってるんだな~って」
文利の鼻に付く言い方に、凪美子は少しイラっとして、
「友達陥れて楽しい? どうして私にそんな話をするの?」
厳しい目で文利を見た。



