彼女のセカンドライフ


確かに、武尊は、文利に会う度彼のことを褒めていた。

自分と同い年でありながら、福祉関係の仕事に就いて、立派に社会に貢献している、

「お前はスゴイと思うし、偉いと思う!」

その言葉はよく、文利に向けて言っていた。

それに比べ自分は、何の目標もなく、家の借金のためにバイトしているだけ、自立さえしていないなど、話していた。

「お前はスゴイと思うし偉いと思う!」この言葉は何よりも、文利の自慢であり、自信に繋がっていた。

なので、武尊の話をすることで、凪美子に武尊と仮につき合ったとしても、何の得にもならないし、男女の関係にならなくても、彼と繋がりを持ったとしても、何のお得感も一切得られないといった、マイナスなイメージを植え付けたかった。

当然、それだけのことを凪美子に言うってことは、自分は武尊よりも優れているという自信があった。