「ごめんなさい、村田君だっけ? を男として見ることが出来ない」
あっさり、断った。
だが、文利は引かず、
「男女間の関係でなくていいから、繋がりを持ちたい、出会いは大切にしたい。これで終わりなんて、俺には無理です」
文利は言う。
凪美子は溜息を吐く。
「繋がりは絶たなくても、それ以上の関係にはならないこと、念頭に置いといて?」
凪美子は冷たく言った。
「はい……」
連絡は取っていいことに一安心しながら、文利は話題を、なぜか武尊に変えた。
「あいつ、武尊なんですけど、あいつの家火の車で大変みたいなんですよね」凪子の反応見ながら話を続けた。
家が貧しい上に、劣等感を持っている、合コンでも武尊だけが、学生の身分で社会に貢献していない、自分自身を情けなく思っているなど、まるで武尊が話していたかのように語り出した。



