しばらくして、目を覚ますと、紫と秀奈はいなかった。 「目が覚めた?」 凪美子が声を掛けた。 二人は武尊が眠ってから帰ったという。 「秀奈ちゃんに悪いことしたな」 「仕方ないわよ、小さくても分かってるはずよ、それに心配そうにあなたを見てたから」 一日が終わろうとしていた。 毎日、家族の誰かが、凪美子が武尊のそばにいた。 また夜がやって来る。 「眠ってしまったら、そのまま起きないのではないだろうか」 そんな暗闇にもおびえた。 朝が来て、家族や凪美子の顔を見て安心した。