彼女のセカンドライフ


それから凪美子は、「人はこんなにも黄色くなるの?」 そう思うほど、武尊の黄疸症状に驚く。以前よりも強く感じた。

また、髪の毛はなくなり、痩せ細った、変わり果てた姿にショックを受けていた。

「お久しぶりです、蓮見さん」

声を掛けてくるのは、文利だった。

その横には惠介もいた。

二人に凪美子も軽く挨拶した。

文利は、孝太郎に教えてもらって、武尊のことを知った。

三人が談笑していると、武尊の母親が入って来た。

「来てくれてありがとう。いつもは眠ってることが多いのに、薬が効いて痛みがないのか、今日はよく話してるの」

それから、近々、抗がん剤治療を止めて、ホスピス(治療が難しくなった患者や、末期患者などをケアする施設)へ移り、緩和治療に変えることも、この時、武尊の母親から聞いた。