「突然糖尿病になったりしますか?」
武尊は主治医に聞いた。
「がんが発覚する以前に、甘い物を多く摂取したり、あるいは、食後やお風呂上りに、アイスクリームなど欲したりしなかった?」
主治医は武尊に尋ねた。
確かに、元々甘い物は好きだったが、大量摂取はなかった。
だがここ最近、主治医の言うように、お風呂上りは無性にアイスクリームが食べたくなったと、武尊は答えた。
その答えに主治医は、がん患者のがん細胞が、体内にある糖を食べつくしてしまうから、甘い物を欲してしまう、体が自然と、より多く糖質を摂取しようとするから、また糖尿病患者も、がんになるリスクが高くなるのも事実だと言う。
がん細胞に、糖を与え続けると、果てしなく増え続けるらしい。
「何で体が痒くなるんですか! 昨日も痒くて眠れなかった」
武尊は溜まった不満をぶつけるかのように、主治医に質問をした。
主治医は、武尊の状態と、ままならない気持ちを察しながら、詳しく話し出した。



