しかし、家族が総出で病院に来るってことは、ただならぬ状況と察しが付く。

「僕は、何かヤバい状況なの?」

武尊が聞くと、母は顔を強張らせた。

気を利かせた父が、

「いや、腸閉塞だ、けどちょっとあまり思わしくなくてな? それで詳しい検査をしないといけないから」

明るく努めて切り出したが、言葉はどんどんと口籠った。

「その腸閉塞となった原因を探るため、明日別の病院に移って詳しく検査をすることになった」

言葉に詰まる父を見兼ねて、二つ上の武尊の兄が、機転を利かせて話を続けた。

「そうなんだ」

何かを察したように、一点を見つめたまま武尊は答えた。

この病院に運ばれてから、武尊が眠っている間、彼の体は、CT検査されていた。

先に家族だけに、医師から告げられていた。