定期購読ドール

「助けた? 助けてない?」


良樹は質問をしながら、ズボンのポケットから小型ナイフを取り出した。


アケミの顔が一種にして青ざめる。


「……助けたことなんて、一度もないよな?」


良樹がそう言った時、二人の首に髪の毛が絡み付いた。


そのまま一気に締め上げられ、呼吸が止まる。


「ぐっ……! うっ……」


「はははっ。苦しんでる顔のアケミも、すごく可愛いよ」


良樹はアケミの頬をそっと撫で、ナイフを自分の首元へ押し付けた。


「大丈夫。寂しくないからね。あの世でず~っと……一緒にいよう」


良樹は笑顔を浮かべたまま、ナイフで首を真一文字に切り裂いた。


パックリと開いた肉の間から噴水のように噴き出す血。


それはアケミの顔を真っ赤に染めあげていく。


恐怖と苦しみにもがくたび、髪の毛はきつくきつく食い込んでいく。


良樹の体がドサリと横倒しに倒れた時、アケミと千夏もその動きを止めたのだった。




END