「じゃあ、タコさんウインナーもーらい! うーん美味しい! アケミって料理の天才!」


大げさに褒めちぎる千夏に教室にいたクラスメートたちが視線を向けている。


「このくらい普通だよ」


アケミは照れたように頬を赤くしてほほ笑んだ。


「あ、和明! 和明も食べてみる?」


偶然後ろを通りかかった和明へ向けて千夏が言う。


「え、なに?」


コンビニのお弁当では物足りなさを感じていた和明が、すぐに立ち止まってアケ
ミのお弁当箱を覗き込んでいた。


「これ、アケミの手作りなんだよ!」


「ちょっと千夏……大したものじゃないんだから」


はしゃぐ千夏に謙虚さを演出するアケミ。