「千夏!?」


ドアを開けた瞬間、涙に濡れた千夏がトイレから飛び出して来た。


アケミは千夏ともども廊下に倒れ込んでしまった。


「戻ってきた……戻ってきたんだよ!!」


千夏はきつく目をつむり、アケミの体にすがりつきながら叫ぶ。


アケミは心臓が早鐘を打ち始めるのを感じながら、視線をトイレへと移動した。


そこにいたのは、半分焼けただれたドールだったのだ……。