「朝から怒鳴らないでよ。何様なの?」


アケミも負けじと和明を睨み返しているので、和明の怒りは収まらない。


「二人とも、何してんだよ」


そう声をかけて来たのは登校してきたばかりの良樹だった。


定期購読でピート君を組み立てていた、和明の友人だ。


和明はアケミから視線をそらし、自分の机へともどって行く。


「アケミ、大丈夫か?」


以前はアケミのことを怖がっていた良樹だが、和明と付き合い始めてから少しだけ距離が縮まっていた。


「なんでもないから大丈夫」


アケミはそう言い、仏頂面のまま鞄をしまったのだった。