「嘘でしょ」


家に近づいた時、千夏がそう呟いた。


重たい体を引きずるようにして歩いていたアケミは顔を上げる。


すると、千夏の家に宅配のトラックが止まっていて、男性ドライバーが今まさに荷物を持って玄関へ向かうところだった。


宅配のドライバーが持っているダンボール箱には見覚えがあった。


今までも、何度も見て来たアレと同じだったのだ。


「あ、ちょうど良かった。お届け物ですよ」


ドライバーがそう言い、爽やかな笑顔と共に近づいてくる。


間近で見ると、それが間違いではないとわかった。


「なんで……」


千夏は差し出された段ボールに手を伸ばす事ができなかった。


今日は購読日じゃないのに、どうして!?


「相原さんにも荷物がありますよ」


千夏がようやく荷物を受け取ると、ドライバーはそう言ってトラックへと駆けて行った。