「え、なんで……?」


手の中のドールの顔にはひび割れがなくなっていたのだ。


さっきまでは確かにあったのに……。


「冗談だよね……」


ドールの顔をマジマジと見て見ても、ひび割れはどこにもなかった。


まさか、本当にドールの意思でここまで戻って来たとかじゃないよね?


組み立てられたことで傷も修復されたなんて、そんな非現実的なこと……!


アケミは怖くなり、ベッドの上にドールを投げ出して自室から逃げ出したのだった。