「あ~あ、動かなくなっちゃった」


倒れ込んだままの涙を見て千夏が言った。


あれから30分ほど殴る蹴るの暴行を続けていたら、完全に動かなくなってしまったのだ。


「呼吸はしてるから大丈夫でしょ」


アケミはそう言って大きな欠伸をした。


大嫌いな涙をボコボコにしてやれて気分は爽快だった。


「この人形はあんたにあげる」


アケミはそう言って涙の隣にドールを置き、千夏と共にその場を後にしたのだった。