涙はイジメに耐え兼ねてからずっと学校を休んでいた。


出席日数はもうギリギリのところだろう。


カナたちのイジメは想像以上に壮絶だったようで、今見た涙は面影もなくしてしまっていた。


「なんであんなことになったんだろうな」


歩きながら和明がそう言った。


「なんのこと?」


わかっていたけれど、とぼけてみた。


「涙だよ。あんなに明るくて元気だったのに」


「涙のことが気になるの?」


「当たり前……いや、もうどうでもいいけど」


和明はそう言い、頭をかいた。