リビングのソファには父がいて、家族団らんの場に豪が闖入した形になる。
「ケーキ買っておいてよかったわ」
母は嬉しそうにキッチンでロールケーキを切り分けている。
あ!あのケーキは私の大好物のローゼンのフルーツロール!母は大きめの4頭分に切り分けてるけど、こいつがいなければ、この4頭分のうちふたつは私の取り分だったのに。うう、悔しい。
「ありがとうございます」
「今日のランチはどうだったかな?」
父が聞き、豪はにこやかに答えた。
「祖父が孫の顔を見たくて集めたようなものです。僕があまり寄り付かないもので」
「斎賀のおじいさまはとてもお元気だと聞いてるわ。あの方は特務局始まって以来の傑物だと言われてるものね」
母がロールケーキの皿を各人の前に置きながら言う。
豪のおじいさんの武蔵氏は、特務局の現在の業務を確立した人と言ってもいい。徹底的な一族主義でありながら、調査分析能力に長けた専門家を集めるのが上手かった。すごい人であるのはわかるんだけどね。
「祖父の我儘に翠さんを付き合わせてしまいました。せっかくの休日なのに」
「あら、でもおかげで私たちは豪くんとお茶ができるんだわ」
「もっと、頻繁に遊びにきてくれていいんだよ」
「ちょっとお父さん」
私はイライラと言葉を遮る。
「ケーキ買っておいてよかったわ」
母は嬉しそうにキッチンでロールケーキを切り分けている。
あ!あのケーキは私の大好物のローゼンのフルーツロール!母は大きめの4頭分に切り分けてるけど、こいつがいなければ、この4頭分のうちふたつは私の取り分だったのに。うう、悔しい。
「ありがとうございます」
「今日のランチはどうだったかな?」
父が聞き、豪はにこやかに答えた。
「祖父が孫の顔を見たくて集めたようなものです。僕があまり寄り付かないもので」
「斎賀のおじいさまはとてもお元気だと聞いてるわ。あの方は特務局始まって以来の傑物だと言われてるものね」
母がロールケーキの皿を各人の前に置きながら言う。
豪のおじいさんの武蔵氏は、特務局の現在の業務を確立した人と言ってもいい。徹底的な一族主義でありながら、調査分析能力に長けた専門家を集めるのが上手かった。すごい人であるのはわかるんだけどね。
「祖父の我儘に翠さんを付き合わせてしまいました。せっかくの休日なのに」
「あら、でもおかげで私たちは豪くんとお茶ができるんだわ」
「もっと、頻繁に遊びにきてくれていいんだよ」
「ちょっとお父さん」
私はイライラと言葉を遮る。



