「元部下は金を多少握らされ、マスコミ等に口外できないようその筋の人間に監視されている。そんな中で、噂で聞いた財務省特務局を頼ってきた。豪、朝比奈、ふたりでこの件を調査してくれ」
局長の命だ。しかし、担当するのが一番下っ端の俺と翠でいいのか?かなりでかい仕事じゃないか。
俺の不安を見て取ったのか局長が言葉を添える。
「内々に片付けるか表沙汰にするかは、おまえたちの調査内容を見て決める。気負わずやれ」
そう、特務局は調査権限はあるが逮捕権はない。処罰が必要であるならば、警視庁にすべての情報を開示し刑事告訴に踏み切る。簡単に不起訴にならないよう、特務局から司法側にも根回しできる。
しかし、場合によっては内々に処理しなければならないことも出てくる。相手をこの世から葬る……なんてドラマみたいなことはしないが、あくまで特務局とその省庁内のやりとりで終わらせるということもあるのだ。失職や弁済など、本人には厳しい対応がされるとしても、それは表には出ないことだ。こういったグレーなことも請け負うから、特務局という部署は表に出てきてはいけないのだ。
「くれぐれも鬼澤に感づかれるな。相手は凄腕の古狸だからな。おまえたちとは場数が違う。手順を踏んで、情報を追え」
「はい!」
横で俺より先に翠が声を張り上げた。元気だ。というか、こいつはやる気満々だな。またどうせ俺と張り合う気なのだろう。好きにすればいい。俺は譲る気はない。
こいつとバディなんか組めないと騒がれるよりずっとマシだ。
局長の命だ。しかし、担当するのが一番下っ端の俺と翠でいいのか?かなりでかい仕事じゃないか。
俺の不安を見て取ったのか局長が言葉を添える。
「内々に片付けるか表沙汰にするかは、おまえたちの調査内容を見て決める。気負わずやれ」
そう、特務局は調査権限はあるが逮捕権はない。処罰が必要であるならば、警視庁にすべての情報を開示し刑事告訴に踏み切る。簡単に不起訴にならないよう、特務局から司法側にも根回しできる。
しかし、場合によっては内々に処理しなければならないことも出てくる。相手をこの世から葬る……なんてドラマみたいなことはしないが、あくまで特務局とその省庁内のやりとりで終わらせるということもあるのだ。失職や弁済など、本人には厳しい対応がされるとしても、それは表には出ないことだ。こういったグレーなことも請け負うから、特務局という部署は表に出てきてはいけないのだ。
「くれぐれも鬼澤に感づかれるな。相手は凄腕の古狸だからな。おまえたちとは場数が違う。手順を踏んで、情報を追え」
「はい!」
横で俺より先に翠が声を張り上げた。元気だ。というか、こいつはやる気満々だな。またどうせ俺と張り合う気なのだろう。好きにすればいい。俺は譲る気はない。
こいつとバディなんか組めないと騒がれるよりずっとマシだ。



