「それはそうと、鬼澤の件、その後なにか言われた?」
「俺には特に。たぶんだけど、先に黒瓦組の若頭を落とす気だと思う」
豪は冷静に言う。
「詐欺グループを摘発、同時に黒瓦組に手入れ、そこから鬼澤へ繋げて贈収賄罪で片付けるつもりだろうな」
「内々の処理じゃ間に合わないのね」
「財務省とK省の意向ではない。詐欺グループ拠点が海外だったこともあって、警察庁と国家公安委員会が動いてる。現地警察も動いている。俺たちは資料提供をして、沙汰はあっちまかせだろう」
そうなったら、鬼澤について情報をくれた長親氏はどうなるだろう。彼も彼の家族も巻き込まれている。そりゃ、彼らに落ち度がなかったかといえば違うかもしれない。でも、罪状の重さは全然違うんじゃなかろうか。
「情報提供者は守る方向で局長が動いてくれてる。刑事事件になれば無傷とはいかないが、できる限りはするはずだ」
豪が私の思考を読んだように言った。
「翠が心配しなくていい」
「俺には特に。たぶんだけど、先に黒瓦組の若頭を落とす気だと思う」
豪は冷静に言う。
「詐欺グループを摘発、同時に黒瓦組に手入れ、そこから鬼澤へ繋げて贈収賄罪で片付けるつもりだろうな」
「内々の処理じゃ間に合わないのね」
「財務省とK省の意向ではない。詐欺グループ拠点が海外だったこともあって、警察庁と国家公安委員会が動いてる。現地警察も動いている。俺たちは資料提供をして、沙汰はあっちまかせだろう」
そうなったら、鬼澤について情報をくれた長親氏はどうなるだろう。彼も彼の家族も巻き込まれている。そりゃ、彼らに落ち度がなかったかといえば違うかもしれない。でも、罪状の重さは全然違うんじゃなかろうか。
「情報提供者は守る方向で局長が動いてくれてる。刑事事件になれば無傷とはいかないが、できる限りはするはずだ」
豪が私の思考を読んだように言った。
「翠が心配しなくていい」



