豪がベッドの私を見上げる。お姫様の前にひざまずいた騎士みたい。存外顔が近くてドキドキする。
「俺は何度だって潔白を証明する。おまえに信じてもらえるまで努力する。俺はおまえの夫だからだ」
気が早い、と思いながら私の心にあるのはまぎれもない喜び。
「俺はこの先ずっと翠以外には触れない。翠に対して裏切る行為はしない。……中学の頃、恋愛は自由だと決めた。でも、そろそろその約束をやめないか?」
「え?」
「翠にも俺だけを見てほしい」
まるで愛の告白。いや、豪なりに精一杯の言葉だ。
ここで見栄を張っちゃいけない。私は恥ずかしさに唇を噛み締めながら俯いた。
必死に言葉を紡ぐ。
「恋愛自由もなにも……私、彼氏いたことないし」
豪が一瞬固まった。
目が点と言ったらいいのか、彼にしてはかなり間抜けな顔で停止している。その間、20秒ほど。
「彼氏……いたこと……ない?」
「繰り返さないでよ!そうよ、彼氏いない歴年齢っつうアレよ!悪い!?」
「いやでも、おまえ、先輩とか……仲良い男子だって何人か……」
「その男子の誰が『俺は斎賀豪に勝る男だ』って思う?みんな、私の婚約者のことを知れば自分のスペックと比べて逃げてくっつうの。それに、私は分家の立場よ。本家の跡取りを差し置いて浮気に当たることなんかできない」
それに、豪はあれだけモテていた。私という枷が外れれば、豪は他の子と恋に落ちることができると思ったのだ。それは言わないでおくけど。
「俺は何度だって潔白を証明する。おまえに信じてもらえるまで努力する。俺はおまえの夫だからだ」
気が早い、と思いながら私の心にあるのはまぎれもない喜び。
「俺はこの先ずっと翠以外には触れない。翠に対して裏切る行為はしない。……中学の頃、恋愛は自由だと決めた。でも、そろそろその約束をやめないか?」
「え?」
「翠にも俺だけを見てほしい」
まるで愛の告白。いや、豪なりに精一杯の言葉だ。
ここで見栄を張っちゃいけない。私は恥ずかしさに唇を噛み締めながら俯いた。
必死に言葉を紡ぐ。
「恋愛自由もなにも……私、彼氏いたことないし」
豪が一瞬固まった。
目が点と言ったらいいのか、彼にしてはかなり間抜けな顔で停止している。その間、20秒ほど。
「彼氏……いたこと……ない?」
「繰り返さないでよ!そうよ、彼氏いない歴年齢っつうアレよ!悪い!?」
「いやでも、おまえ、先輩とか……仲良い男子だって何人か……」
「その男子の誰が『俺は斎賀豪に勝る男だ』って思う?みんな、私の婚約者のことを知れば自分のスペックと比べて逃げてくっつうの。それに、私は分家の立場よ。本家の跡取りを差し置いて浮気に当たることなんかできない」
それに、豪はあれだけモテていた。私という枷が外れれば、豪は他の子と恋に落ちることができると思ったのだ。それは言わないでおくけど。



