そして、その後初めて行った豪の部屋。妙な話だけど、豪の部屋ではずっとどきどきしていた。豪のプライベートに入り込んでいることに「いいのかな」なんて落ち着かない気分だった。
豪はいつも通りきつい言い方で私を叱ったけれど、行動のすべては優しかった。腕の中で髪や背を撫でられ、誰といるより安心した。
豪も祭も幼い頃から一緒だったせいか兄弟みたいに思うことはある。喧嘩もすれば、気安い安心できる存在でもある。
だけど、あの時感じた豪への気持ちは、ちょっと種類が違った。いつまでもこうしていたいと感じさせる何かだった。
そこまで考え、私は自分の頬が熱くなっていることに気づく。
やだ、何を考えてるんだろう。
豪相手にどきどきして、思い出して真っ赤になってるなんて。
そうだ、豪なんてなんでもない。ただの婚約者。いつか結婚するだけ!
だから、私からごはんだって誘えるんだから。
『ちょっと時間が空いたんだけど、お昼だけ一緒に食べない?』
あくまで忙しい用事の合間であるという空気を出す。
たーん、と勢いよく画面をタップして送り終わると満足した。
どうよ、私だってごはんくらい誘えるんだから!
意識なんてこれっぽっちもしてませーん。普通よ、普通。
豪はいつも通りきつい言い方で私を叱ったけれど、行動のすべては優しかった。腕の中で髪や背を撫でられ、誰といるより安心した。
豪も祭も幼い頃から一緒だったせいか兄弟みたいに思うことはある。喧嘩もすれば、気安い安心できる存在でもある。
だけど、あの時感じた豪への気持ちは、ちょっと種類が違った。いつまでもこうしていたいと感じさせる何かだった。
そこまで考え、私は自分の頬が熱くなっていることに気づく。
やだ、何を考えてるんだろう。
豪相手にどきどきして、思い出して真っ赤になってるなんて。
そうだ、豪なんてなんでもない。ただの婚約者。いつか結婚するだけ!
だから、私からごはんだって誘えるんだから。
『ちょっと時間が空いたんだけど、お昼だけ一緒に食べない?』
あくまで忙しい用事の合間であるという空気を出す。
たーん、と勢いよく画面をタップして送り終わると満足した。
どうよ、私だってごはんくらい誘えるんだから!
意識なんてこれっぽっちもしてませーん。普通よ、普通。



