それこそ、明日から夏休みに入る。
かといって、何か特別なことがあるわけでもなく。
「さぁ、今日はどうしようかなー」
そんな事を一人呟いてみる。
純奈は部活で、夜まで帰ってこないし。
きっと、お父さんとお母さんが帰ってくるのもいつも通りだろうし。
ご飯も食べたいもの、特にないし。これといってやる事もない。
え、なんかめちゃくちゃ暇じゃない?
とりあえず、夏休みの課題に手を付けることにしようかな……。
そんなことを考えていると、「なぁなぁ」と声が聞こえる。
式自体はもう終わっていて、今はHRの時間。
先生にバレないように静かな声で「どうしたの?」と返す。
「今日なんか予定あんの?」
「……ないけど、」
なんで?と聞こうとすると、宏平は、にっこり笑った。
