「……宏平?」
私がそう言うと、耳元で「かず……」と囁く。
耳に宏平の息がかかってくすぐったい。
「ちょっ、やめてよ……」
……実は未だに慣れてないんだよね。
幼馴染だった期間が長すぎたからなのかな。
宏平とこういう雰囲気になると、なんだか……恥ずかしくて逃げたくなってしまう。
嫌いなわけじゃない。好きなんだけど……
「かず。お前、何恥ずかしげもなく言っちゃってんだよ」
「え、何が?」
「今の全部口に出てたんだけど」
うっそっ⁉
私が勢い良く振り向くと、ニヤニヤと悪い顔をしている宏平と目が合った。
顔に熱が集まってくるのが分かる。
「今の無しっ‼」
「えぇー、どうしようかな〜」
