「じゃあね」

私は雨宮くんに背を向けて、ドアに向かって歩きだす。


よかったんだよね、これで。

そう心に言い聞かせながら、バイトのことだけを考えた。

一心に。


そのとき、



「朱里先輩!」



後ろから聞こえた声。

体育館に響き渡った。


振り向くと、雨宮くんがこっちを見ていた。

何だろ??


「来週、楽しみにしてていいっすか?」


「歓迎会?」

「そうっす。」


「ん。いいよ」

私はニコッとして、体育館を出た。