「……秋文?」
「俺は昨日からずっと楽しみにしてた事あるんだけど?」
「…………秋文………っっ………。」
その意味がわからないほど、千春は鈍感ではなかった。
千春がその意味を理解して顔を真っ赤に染める前に、彼からの深い口づけが降ってくる。
呼吸を奪われるような深いキスが続き、千春は甘い息苦しさを感じながらも、気持ちよさに目が潤んでしまう。
「そんなにキス、したかったの?」
やっと唇を離された千春は、とろんとした表情で彼を見つめる。
すると、彼も余裕がないのか目に色気を感じられる鋭いものがあった。
「おまえはしたくなかった?」
「……したかった……。昨日の夜も、今日の朝も。」
「………我慢したんだから、沢山しような。」
千春は、そのままゆっくりと押し倒れるようにキスを繰り返しながら体をソファに埋めた。
キスの合間から洩れる吐息と甘い声が、静かな室内に響く。
いつもとは違う部屋でのこの行為は、何故だか恥ずかしさが倍増してしまう。
「……ねぇ、秋文……なんだか恥ずかしいよ……。」
「俺しか見てないのに?」
「うん………。」
千春は、真っ暗な寝室を見つめて、彼に「ベットに行きたい。」という事をアピールする。
けれど、彼はそれをわざとわからないフリをして、千春を抱き上げた。
「おまえのバスローブ姿が色っぽすぎたんだった。それ着てるおまえを抱きたい。」
「えっ………ちょっと………。」
「お風呂の景色も綺麗だったし、いつもより浴槽も広いから一緒に入ろうか。」
「………えぇ………。」
千春は、一緒にお風呂に入りたい気持ちもあった。けれども、先ほど秋文から与えられた熱で、体が疼いてしまっていた。
早く寝室に行きたい………。
そういう気持ちで彼を見つめると、秋文はドキッとしたようで唾を飲み込んだ。
けれども、彼は意地悪だ。それで「寝室にいこうか。」と言ってくれない。
「大丈夫……お風呂場で可愛がるから。」
耳元でそう囁かれてしまえば、千春はもう彼に従うしかなかった。
抱き上げられたまま、千春は彼の胸に顔を埋めて、彼と一緒にお風呂場に向かう。



