1話「サプライズ再び」




 「では、秋文と千春の結婚をお祝いして……」
「「乾杯ーっ!」」


 4人は持っていたグラスを持って、乾杯をした。その顔は皆が笑顔だった。一人を除いては。


 「立夏、出。今日は旅行に招待してくれてありがとう。」
 「いいのいいの!新婚旅行にすぐに行かないって聞いたから。少しでも旅行気分を味わえればなぁーって思ってさ。」
 「だったらなんでおまえらが一緒なんだよ。普通新婚旅行なら2人きりだろ。」


 みんなが楽しそうにしているのに、1人納得がいかないのか、ビールを一気に飲みながら秋文はそう文句を言った。
 隣に座る千春は、その発言を聞いて焦ってしまう。
 

 「ちょっと!秋文……私は4人も楽しくていいと思うよ。」
 「新婚旅行は秋文が豪華な所に連れていってくれるだろうから、まぁ今回はみんなで旅行ってことでいいだろ?」
 「………お前たちが来たかっただけだろ?」
 「秋文はねちねちうるさいな~。毎日2人きりなんだからいいでしょ!さぁ、ごはん食べようー!」


 立夏はそういうと、テーブルに並べられた豪華な料理に箸を伸ばした。
 それを見て、秋文は渋々だが箸を手に取った。千春はその様子を見て、ホッと微笑んだ。