彼氏以上、オット未満

そこで裕和のスマホが鳴り、昴に道順を説明し始めた。


昴が来るまで、佳奈子さんは詩織の結婚式のことを聞いてきたり、裕和と私がつきあっていたことも知っているから気にしないで、なんてあっさり核心をついた発言をしたりした。


インターホンが鳴り、まもなく玄関ドアの開く音がした。


なぜか緊張して、昴の顔を見られなかった。


「須川さん、彼女さん、ご迷惑おかけして申し訳ありません。


メグ、ほんまにごめんな。


おふたりに迷惑やし、俺たちは失礼しようや」


「浦野、さっきのことを恵にちゃんと説明しろよ。


俺たちのことは気にすんな」


「ふたりとも、コーヒーでいいかな?


いただきものだけど、おいしいクッキーもあるのよ、食べて食べて」


ふたりにうながされ、昴は私の隣に座った。


すぐ隣に座っているのに、私たちの間には見えない壁があるみたいだった。


コーヒーのいい香りが漂い、上品なカップとかわいいお皿に盛られたクッキーがテーブルに置かれた。


「メグ、ごめんな。


俺、愛が来るの、知ってたんや。


新郎側で出席するって、聞いてた。


ついメグに言いそびれて、ほんまごめん。


せやけど、愛が俺に近づいてきたんは、俺とメグがまだ結婚してへんから、ちょっとからかってやろうと思ったんやて。


わざとメグを動揺させて、困らせたくなったんやって言ってた」