彼氏以上、オット未満

「海外で結婚式するんでしょ、ステキねえ」


「家族旅行を兼ねられるし、いいでしょ」


「いろいろ買わなきゃね、大変」


「大変とか言ってるわりには、顔がニヤけてるんだよね」


お母さんと穏やかに結婚話ができるなんて、想像もしてなかった。


人生、捨てたもんじゃないな。


「昴くん、恵、ひどいこと言ってごめんなさいね」


「いいよ、もう」


「そうですよ、僕たちの結婚を許してくれただけで、満足です」


「あら昴くん、無理して標準語使わなくていいのに」


「ええんですか?」


「昴、さっきのも関西なまりの標準語だったからね」


「そうなん?」


お互いの実家はそれぞれ、新しい家族を迎える。


頼れる存在が増えるのは、単純に嬉しい。


そして、昴と永遠に、堂々と一緒にいられることが、たまらなく幸せなんだ。


「お母さんの筑前煮、ほんまに最高ですわ」


「そお、まだあるからたくさん食べて」


「昴くん、恵をよろしく頼むよ」


お父さんがマジメな顔して急に割りこんできたから、昴は目を丸くしながらも、


「はい、こちらこそよろしくお願いします」


キッパリ宣言してくれたのが、嬉しかった。