彼氏以上、オット未満

「メグのお母さん、こんにちは。


お荷物持ちましょうか?」


「え、あら、昴くん?


偶然ね、じゃあお願いします」


「僕らのために、たくさん買い物してくれはったんですか」


「そうなの、つい買いすぎちゃって」


「これからは、早めに呼んでくだされば駆けつけます」


駅前のスーパー前でこんな会話が交わされていた頃、私は玄関前を掃除していた。


私のお母さんが、関西を毛嫌いしていた理由。


度が過ぎるぞと、さすがに怒ったお父さんがお母さんを問い詰めて、判明した。


お母さんがお父さんと出会う前のこと。


互いに結婚を意識していた恋人の実家が関西にあり、お母さんが挨拶に行ったら、東京の悪口から始まり、お母さんのことをけなし、当然結婚も反対され、それ以来関西が嫌いになったそうで。


お父さんに珍しく怒られて落ちこんだお母さんは、意外なほどあっさりと、昴と私の結婚を許してくれた。


そして今日は、あらためてみんなで夕飯食べようってことで、昴がうちに来てくれる日。


「ただいまー」


「おかえり、あれ、昴も一緒?」


「そうなの、偶然会って、荷物持ってもらっちゃった」


「ありがとね、昴」


「これくらい平気や」


「入って入って、すぐ準備するから」


「お母さん、手伝うよ」