彼氏以上、オット未満

「・・・そうなんだ」


「愛にはもう彼氏おるし、もちろん俺はメグのことしか見てへん。


なんちゅうか、アクシデントと思って、許してくれへんかな」


私は、昴の言葉をまるで他人事みたいに聞いていた。


昴は悪くない、と思う。


私だって悪くない。


だけど、とにかく、イヤなものを見て、不快なんだ。


これは、大人の女子なら、我慢しなきゃいけないんだろう。


でも、私は納得できなかった。


本当のことを説明されても、うまくのみこめなかった。


佳奈子さんみたいに、大人なら。


婚約者の元カノの訪問を歓迎できるくらい、大人なら。


昴のことを、笑って許せるんだろうか。


「ごめん昴、私、さっきのこと、まだ・・・」


「許せない、わよね?」


「恵、無理にのみこむ必要はないぞ」


キッチンの向かいにあるカウンターに座っていた裕和と佳奈子さんが、声をかけてきた。


「何かひっかかってるなら、昴くんにぶちまけちゃった方がいいわよ」


「俺たち、ちょっと買い物行ってくるから、二人で話せ、な?」


「1時間くらい外すわね。


カギ持ってっちゃうから、留守番よろしくね」


身支度を整えたふたりが出ていき、重苦しい雰囲気に包みこまれた。