『真端、あらためて、よろしく』
握手を求められて、私も手を出す。
もう少しで触れる、というところで、有村が、ひょいと手を左へと動かした。
私の手は、有村の手の動きを追えず……スカッとからぶってしまった。
『ハハハッ!!やっぱり、真端、面白いな』
白い歯をみせて笑う姿は、小さい子そのもの。
……だけど、それがすごく……落ち着いた。
心がぎゅっとする。
ドキドキ高鳴る胸を押さえつつ、『好きな人、いるよ』と笑う。
『……え!?』
有村の驚きの驚きが表れた声を聞きつつ、『よろしくね』と言った。
今日のことで、もっと好きになったよ。
前からも、クラスの中心にいるような存在で、心が惹かれてたけど。
好きって想いが、さらに強くなったよ。



