『……お、おはよう』
『はよっす』
お互い、ぎこちなさが目立つ。
『……席、座れば』
有村の斜め前の席の私は、そばによることをためらって、教室の入り口辺りで固まっていた。
けれど、有村のうながしをうけ、席へと駆け寄る。
机の上にスクールバックを置いて、昨日の夜にやった英語の課題を、机の中の引き出しにいれようと手に取ったときだ。
『真端、好きなやつとかいるの?』
……いきなりそんなことを言われて、思わず、課題を床に落とした。
――――バサッ
派手な音がして、慌てて拾う。
『あーぁ、なにやってんの』
有村が笑いながら、机の下に落ちてしまったプリントを拾ってくれた。
『はい、どーぞ』
『あ、ありがとう』



