負けじと、私もほっぺたを膨らませる。
私だって一応怒ってるからね!
「……あー、はいはい。真端(さなばた)サン」
普段なら絶対にしないサン付けまでして、『わかったよ、しょーがねーな』という顔をして。
まったく、ひどいんだから。
「あーぁ、でっかい真端サンは、態度まででっかいんだなぁ」
大声で言うから、廊下に響き渡ってしまった。
「ちょっと!」
怒ると、『ば、か』と口パクをしてきた。
「ちっちゃい有村クンは、器も小さいんだねーっ!」
叫び返すと、有村はうそ泣きをしながら、走って教室に入っていった。