そんなこちらの気も知らず、辻本はテーブルの椅子に座る。
「辻本の遺伝子がここに集まってる」
「まあ辻本の中でもできない者等の集まりだけど」
「そうなの?」
百鳥が首を傾げる。あたしは諦めてひとつ空いた席に座った。
周りからの視線が集まっているのが分かる。
「辻本の家で頭良い人間は皆医学部か海外行くから」
「へえ、じゃあ上羽たちってレアキャラなの」
「そうそうレアだよ。大事にして」
呆れた顔をして百鳥が肩を竦める。辻本はどんな顔をしているのかと表情を盗み見る。
財布を出して食券販売機の方を見ていた。
気にしていない様子。



