恋しくば

 
今日は良いにしろ、今度から会ったら気まずいな。
まあ良いか、どうせあっちが先に大学を出ていくのだし。

「どうしたんだ」
「うわ、びっくりした」

突然後ろから現れた辻本に驚く。振り向くときょとんとした顔の辻本。

「なんで辻本が食堂にいるの」
「俺が呼んじゃった」

上羽がひらひらと手を振っている。昨日の今日、という言葉を上羽は知らないのだろうか。
メデューサの彼女に会うのと同じくらい、気まずい。
いや、辻本がいた方がこちらが強いのでは?

謎の強さを計り始めた自分に心の弱さを感じる。