恋しくば


びしょびしょの目元を拭う。アイシャドウが落ちた。

「頭痛い」
「もう少し眠ったほうが良い」
「うん……百鳥が来たら起こして」
「わかった」

あたしはもう一度横になった。辻本はそこを動く気配はなかった。でも何も言う気はおきなかった。



翌日、にやにやする上羽と目が合った。
嫌な予感と、振り向く百鳥。

「俺が二日酔いの間、面白いことがあったみたいだね」
「……百鳥」
「だって辻本とカドがくっつくなんてさ、誰も考えないでしょう」
「くっついてないし……」
「それよりもう熱ないの?」

それよりって。しかしながら心配してくれているのはわかる。