ならば、とうちの扉を指差す。
「あがって行って」
「え、は?」
「そんなに悪くないって証明する。はやく」
腕を掴んで階段を上る。少しギシギシいってるけど、耐久性は確かだ。
鍵穴に鍵をいれて回す。
「待て、葛野。まずセキュリティに問題があると思う。こんなところに女子一人で住んでて無事だったことが不思議なくらいだ」
「盗られるようなものもないからね」
「キャバクラで変な客に会わなかったのか? 本当に今まで何も無かったんだよな?」
矢継ぎ早にされる質問に思うことはひとつ。
それから、扉を開ける。
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