今も活動しているのかは知らない。
キャンパスを出ると、いつの間にか辻本が隣を歩いていた。
「分かった、覚えておく」
「うん。結構面白かったから、DVDも出てた気がする」
「借りてみる」
「まあ、参考までにね」
結局スーパーまで辻本はついてきた。じゃあ、と従業員入り口まで送ってくれて、別れた。
そういえば、彼女をふった理由が明らかになってなかったな。なんて、髪の毛を結わえている時に気付いた。
きっと辻本は聞いたら正直に答えるだろうけど、でも自分からその話をしなかったということはしたくない話なのかも。



