恋しくば


上羽がSNSにあがっている大郷さんの写真を見せてくれる。おお、美人。

「この子が辻本のお眼鏡に適わなかったの?」

一緒に覗き込んでいた百鳥が尋ねる。上羽の方を見た。

「さあ? どうなんだろうね」
「ビッチって噂も聞かないけど」
「女子間でそんな噂流れてんの? こっわ」

上羽の言葉にじろりと今日は青いアイシャドウが乗せられた目が睨みあげる。迫力がある。

「上羽は何歳まで女に夢見てんの? 女はとっくに男が王子じゃないことも馬に乗れないことも知ってるわ」
「俺が乗れるのはバイクか女の子くらい」

べし、と頭を叩かれている。今のは上羽が悪い。