恋しくば


そのどちらかも、来月末には辞めようと思ってる。

百鳥は唇を尖らせながら「ふうん」と言った。

「なら、合コンにも参加し放題だね」
「まあそうなる」
「カドちゃんって彼氏ほしいの?」
「ううん、タダ飯が食べたいだけ」

ばっさり。若干引いた上羽の顔がある。

「タダ飯なら、京平と飯行けば良いのに」
「辻本は……彼女がいるでしょ、それに友達にご飯奢ってもらうって……ねえ?」
「私なら格好良い男とご飯行けるなんて好都合だけど。まあ辻本はタイプじゃない」
「百鳥のそれはフォローになってるようでなってない」

辻本が、メデューサの彼女と別れて一週間が経った。