恋しくば


あたしもバイトするまで夜の仕事の料金制度とかよく分かってなかったけれど。
何をするにも金がかかるのだ。席につくにも、女の子を選ぶにも、水で割るにも。

「今日は京平持ちだから、気にしない気にしない。ほら、カド……マコちゃんも酒持って」
「え、あ、うん」
「かんぱーい」

かつーん、と三つのグラスがぶつかる。何に乾杯の状況なのか、よく分からない。

「辻本の女性のタイプってどういうの?」
「タイプ?」
「何となくわかってるけど。顔が良くて見た目重視なとこがあってワガママ」
「そうなのか?」
「いや質問してるのこっち」