入ったばかりであたしはヘルプ要員だ。指名される相手を作った覚えもないし、先輩の客を取った覚えもない。

違うマコさんでは、と尋ねてみるけれど、こちらを指さして言ったらしい。
失礼します、とテーブルから離れて考える。
誰だろう。小さなバッグを持ってテーブルとテーブルの間を歩く。
着いた先に居たのは、

「……何やってんの?」
「挨拶してくんないの? マコでーすって」
「こんなところに来て大丈夫なの?」
「二十歳は超えてる」

上羽と辻本。
そういう問題じゃない……と思いながら、ヘルプで入っていた女の子がこちらを見る。それからすぐにボーイに呼ばれて、私が卓に一人残された。