恋しくば


あたしがキッチンに立って辻本に何かを作った覚えがない。

「サンドイッチ」
「ああ!」

それも自分で作った分の残りだ。

「料理と言えた代物では……」
「でも美味しかった」
「もしかしてそれが辻本の胃袋を掴んだの?」
「普通に美味しかった」
「辻本は少し嘘と建前を覚えた方が良いと思う。あ、ちょっと待って。お弁当箱洗っていかないと」

お弁当箱を洗ってから、辻本と共に家を出た。今朝ゴミは出したので大丈夫。
確認して階段をおりていく。後ろから辻本がついてきた。
振り向くと、こちらを見る。

「食べたいものあるか?」

なんか笑ってしまった。