厚手のカーテンを閉めれば部屋の中が真っ暗になる。部屋の隅で積みあがっている参考書が視界の端に入った。
「辻本って実家暮らし?」
「いや、一人だ」
「辻本病院でしょう? 近いんじゃないの?」
玄関に入って扉を閉めたものの、靴を脱ぐ気配のない辻本に問う。まあ、上がったところで、キッチンくらいにしか入る場所はないのだけれど。
それでも黙って辻本は待っている。
「確かに病院は大学の近くだが、家は病院じゃない」
「あ、そっか」
「悠馬も一人暮らしだ」
「あ、それは知ってる」
「何故」
「前に炊事洗濯が面倒だって話をしてたことがある」



