恋しくば


考えるほど特別な理由でもなかった。

「学校辞めようと思ってる」
「え、なんで」
「ちゃんと決まってはないから……今は」
「辞めないでよ」

あたしが誰にも相談しないでいた理由が、やっとわかった。
誰かに止められたら、揺らぐから。

あたしはそんなに強くないから。

「つまんないよ、カドがいなくなったら」

そう言ってくれるって分かってたから。

「ありがとう」




家に帰ると、扉の前に辻本がいた。辻本が寄り掛かったら扉が壊れてしまうかもしれないじゃないか。

「何してんの」
「用事って?」

それを聞きに来たらしい。わざわざ。