ちょっと待って、今この男なんて言った。
「あたし、仲間にはならな「だから拒否権ねぇつってんだろ。俺に同じことを二度言わせるな」」
…おいっ!!!
さっき悩んだ時間返せよ!
「だいたい…」
「往生際が悪い。さっさと諦めろ」
あたしに最後まで発言させろよ!?
「絶対嫌だから!」
ちょっとでも悩んだあたしがバカだった。こんなところにいるなんてストレスだよ。
「もういい。帰る」
「ダメだ。帰るな」
全く、ここの総長さんとやらは…。
わがままなの?
俺様なの?
世界は自分中心に回ってるわけ?
「と・に・か・くっ!あたしは…「あのね柚姫ちゃん」」
その時、奥の椅子に座っていた男の子があたしの前に来てしゃがんだ。
この子確か昨日もいたよね…?
名前は知らないけど…。
男の割には小さくて、赤色のふわふわの髪の毛。
昨日は思わなかったけど、近くで見るとぱっちり二重にくりくりの目。おまけに肌もすべすべだし。
子犬みたいだし、しゃがんでいるせいで上目遣いになっているのがたまらない。

