「アンタが霜華にまで手を出さなかったらここまでしなかった。けどね、私らももう限界なんだよ!?」
女はそう口にすると、あたしのお腹を一発蹴った。
うっ……。
思わず蹴られたところをおさえる。
「霜華には既に姫がいる。だから誰も近づかないようにしてるの。それなのにアンタは…。絶対に許さない!」
「いたい……っ!」
何度も何度もあたしを蹴り続ける。流石にこのままではまずいと思って抵抗しようとした。
だけど…。
「しっかり押さえてて!」
相当頭に血が上っているのか、抵抗する暇さえ与えなかった。
「瞬さんと一緒に保健室入ったのも、アンタが流牙さんと一緒にいたのも、霜華の倉庫から出て来たのも全部知ってんだよ!!」
嫉妬
怒り
憎悪
マイナスの感情に支配されて、何も見えなくなる人達。
確かにこの女達が言っていることは事実。
だけど、別にそういうカンケーじゃない。
何も知らないくせに、
視えるものしか視ようとしない。
だからそうやって、簡単に感情をぶつける。