学校が終わると一度アパートに帰り、支度をして彼の住むマンションに向かう。 ……ピンポーン インターホンを押すと、すぐに彼は出てきた。 「今日泊まっていくんだろ?」 「訊かなくても分かってるくせに」 彼があたしを呼ぶのは、そういう日だけ。 都合のいい日だけ呼ばれる都合のいい女。 それが分かっていても受け入れるあたしは、やっぱり狂っているのかもしれない。 * 二人きりの部屋。 きしむベッドのスプリング。 甘いリップ音に時折漏れる声。 夜を重ねる度、 あたしは簡単に汚れていく。