「お前、何やってんだ」
あたしから男に視線を移すと、優しい瞳から殺気の混じった鋭い目付きに変わる。
あたしには一度も見せなかったその双眼は、天下無敵と呼ばれた族のトップの瞳だと、直観的に感じた。
「蓮叶、さん……。どうしてここに……」
男は蓮を見るなり震え上がる。
「誰の許可で、こんなことやってんだっっっ!」
「ぐがっ……」
男を殴りつける蓮の右手。
呻き声をあげながらお腹を抱え、うずくまる男。
それでも蓮は、その男を痛めつけることをやめなかった。
「…蓮」
今にも消えてしまいそうな声で、彼の名前を口にする。
「……柚姫」
我を失っているのかと思ったけれど、蓮はあたしの声に反応した。
男を見る目とあたしを見る目は、確実に違う。
まるで、別人みたいに。

