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「ん…」
目を覚ました場所は、冷たいコンクリートの上。手足をロープで縛られ情けなく床に寝転がっている。
あたりを見回すけれど、ドアが一つだけで他には何も無い。
隣には、まだ意識を失っている唯花が横になっている。
「……ん」
しばらく大人しく座っていると、隣で眠っていた唯花が目を覚ました。
「ここ、どこ…」
「分かんない……。巻き込んで、ごめ「柚姫は悪くないっ!」」
間髪入れず、唯花が答える。
その勢いに、思わずあたしの体は驚き震えた。
「……さっきは、逃げてごめん。本当はね、後悔してるんだ。あの日のこと……」
一瞬で静かになった部屋に響く、唯花の小さな声。
「ずっとね、謝りたかった。だけど、あたしがその事実を知った時、柚姫はもう……あたしの知らない柚姫だった。それが、怖くなって……謝れなかった」
「真実はどうであれ、あたしは唯花を傷つけた。唯花から大切な人を奪った事実は変わらない。……ごめんね」
あたしも、ずっと謝りたかったんだ。
だけど、謝るタイミングというのか、どうすればいいか分からなくて。時間が経てば経つほど、言えなかった。

